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「春をはこぶコンサート Vol.5」 インフォメーション
◆ 「春をはこぶコンサート Vol.5 ご案内」 伊藤恵
「めぐり来る春と共に伊藤恵を聴く」 片桐卓也氏 (音楽ジャーナリスト)



春をはこぶコンサート Vol.5 ご案内



寒い冬もようやく終わろうとしています。
皆様お元気でお過ごしのこととお喜び申しあげます。
風がふと梅の花の香りを運んでくれると、
春だな、おっと、4月のコンサートがやってくる、と、
少しどきどきしております。

今年1月は久しぶりにパリに1週間程滞在し、
あの大指揮者ジャン・フルネ先生のレッスンを
毎日受けてまいりました。
主にラヴェルについて教えていただいたのですが、
先生の音楽に対する情熱、深い愛情にひたすら感動の連続でした。

もうひとつ運命的な出来事がありました。
パリではヤマハの皆様にお世話になり
練習もさせて頂いたのですが、
そのスタジオにスヴャトスラフ・リヒテル氏が
最晩年に演奏会で使っていらしたピアノが保管されており、
なんとその楽器で練習することができたのです。
折しもシューマンの「色とりどりの小品」を録音する直前で、
文字通り音楽的に色々悩んでいるところでした。
そして「色とりどりの小品」といえば、なんと言っても
リヒテル氏の素晴らしい録音が私の愛聴盤です。
早速、そのピアノで同曲の練習を始めたのは言うまもでありません。
すると信じられないことに、悩んでいた箇所にさしかかると、
ピアノが自ら美しいフレーズを歌いだして、
一音一音教えてくれるのです。
あんなに霊的としか表現できない経験は、生まれて初めてでした。

もしかしたら、一瞬見えた夢だったのかもしれません。
もしかしたら、あの世からピアノを通じて
リヒテル氏がレッスンしてくださったのかもしれません。

今年の「春をはこぶコンサート」は、4月20日 紀尾井ホールです。
こんな素敵な経験を、どう自分の音にして皆様に聴いていただけるのか・・・

では、皆様、どうぞくれぐれもご自愛くださいませ。

2003年 3月吉日


伊藤 恵



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