作曲家の内なる声を追い求め、深化つづける伊藤恵
「シューベルト ピアノ作品集」第5弾。
生前、作品が出版されることの少なかったシューベルトにとって、<第16番イ短調>は初めて出版されたピアノ・ソナタでした。後期作品への転機となる長大なこのソナタは4楽章形式をとり、作曲者は以降この構成を採用します。
数あるシューベルトの舞曲のなかでも、シューマンをはじめとする後生の作曲家にも影響を与えた佳品<12 のドイツ舞曲>。そして、数多く演奏されながらも決して色褪せることのない、崇高な美の極致<4つの即興曲D899>。
あまりにも早い晩年を迎えようとするューベルトの作品に憧憬し、伊藤の演奏は静謐に語りかけます。
(フォンテック)