2010年、いよいよシューマン生誕200年 お祝いの年です。
先生!おめでとうございます。
昔は片想いの大好きな人、と思って作品に取り組んでいましたが、
今は勝手に恩師です。先生と呼ばせていただいています。
ところで、先日ある作家の新聞インタビュー記事を読みました。
「作品を書く事で、自分の崩壊を支えてきた」という言葉に、
はっと、シューマン先生のことを思いました。
彼の音楽の中にある明るさ、希望、優しさ、楽しさ---
それは、彼が生み出したもの。
しかし、もしかするとその音楽が彼を支え、
崩壊せずに作品を生み出す力となったのではと。
シューマンの音楽は、危うい均衡を保ちながらも崩壊しないように
再生へ向けて新しい力と希望をくれる音楽。
時を超え、さらに現代にも息づく宝のようなシューマン先生の音楽を、
感謝の心を込めて演奏したいです。
伊藤 恵 |